診察室こぼれ話
帯状疱疹は早めの予防を
神戸市でワクチン定期接種が始まりました
帯状疱疹は、過去に水痘(水ぼうそう)にかかった時に体の中に潜伏した水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することによっておこるものです。神経に沿って発疹がでて、典型的には体の左右どちらかに帯状に、時に痛みを伴う水疱(水ぶくれ)が出現する病気です。
帯状疱疹は加齢などによる免疫力低下が発症の原因です。50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。
発疹の痛みは最初はチクチクするような痛みから徐々に増していき、夜も寝られないほど激しくなることもあります。発疹が治ったあとも、痛みが残ることがあり、3カ月以上痛みが続くものを「帯状疱疹後神経痛」といい、日常生活に支障をきたすこともあります。刺すような痛み、焼けるような痛みと表現され、数年にわたって痛みが改善されないこともあります。これは帯状疱疹の合併症の中で最も多く、50歳以上で発症した人のうち、約2割が帯状疱疹後神経痛になると言われています。帯状疱疹予防ワクチンが今年の4月1日から定期接種となりました。対象は接種日時点で神戸市民であり、以下のいずれかに該当するかたです。
2025 年度に 65 歳になる人、 2025 年度に60 歳以上 65 歳未満で、ヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に障害のある方(身体障害者手帳 1 級所持または同程度の方)を対象としています。経過措置として、2025 年度に 70、75、80、85、90、95、100 歳以上になる方も対象です。接種を受けるには、神戸市が発行した接種券が必要となります。接種期間は 2026 年3月31日までです。
帯状疱疹ワクチンには次の2種類あります。
ビケンは価格が安いのですが、効果は接種後5年で4割程度に落ちると言われています。シングリックスは接種後5年で9割、10年で7割と高い効果を保ちます。また、帯状疱疹後神経痛の発症抑制にもシングリックスは効果が高いと言われています。しかし、2回接種するため、値段が高いことと、注射部位の痛み、腫れが強いという欠点があります。1回目にビケン、2回目にシングリックスというようにワクチンの交互接種はできません。過去に帯状疱疹ワクチンを接種した人は対象外ですが、帯状疱疹に罹患した人は定期接種の対象となります。
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あれこれ情報版
4 月から帯状疱疹ワクチンの助成が始まりました。対象の方にはお手元に接種券が届いていると思います。接種される方はお電話で薬剤確保のご連絡をお願いします。薬剤が確保できれば都合のよい時に来院ください。接種希望日の1 週間前には薬剤をご予約ください。
麻疹及び風疹ワクチンは供給不足のため、接種期限を超えた人対象に 2 年間の経過措置が取られることになりました。1 期(1 歳~2 歳)、2 期(小学校入学前)、5 期(R6 年度に抗体検査を受け、抗体価が低かった人)が対象です。対象で未接種の方は早めに受けてください。
みなさんは関西万博には行かれましたか?わたしたちは開幕後1 週間もたたない木曜日の午後、休診を利用して特に期待もせず行ってきました。今や世界旅行が身近になって外国が珍しくもなくなってきたとはいえ、まだまだ知らないことが世界中にあることを実感。すっかりテンションが上がり、「みゃくみゃく」にさえ愛着を感じるようになりました。また行こうと思います。
