診察室こぼれ話
動脈硬化を早期発見!CAVI(キャビィ)検査で
血管の健康を測りましょう
動脈は、心臓から送り出される血液を全身に運ぶ血管です。酸素や栄養素を運ぶ重要な役割を持っており、通常は弾力性がありしなやかですが、加齢や高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病によって厚く硬くなってしまいます。この変化を動脈硬化と呼びます。
動脈硬化はほとんど自覚症状なく進行するため、サイレントキラーとも呼ばれています。特に生活習慣病を指摘されている人や、運動不足で太り気味の人、喫煙者、週 3 回以上飲酒する人、ストレスや悩みを多く感じる人は、動脈硬化検査が勧められています。
「動脈硬化検査(CAVI:キャビィ)」は、保険診療対応の簡単な動脈硬化検査です。検査時は、あお向けに寝た状態で両手、両足首に血圧計を巻き、血圧と脈波を測ります。検査には身長と体重が必要ですので事前に測定しますが、検査自体は 5 分程度の簡単な検査で、腕とひざ下が出せれば着替える必要もなく、結果もすぐに出ます。
測定の結果では、大きく以下の 3 つのことがわかります。まず、脈波伝播速度の測定から「血管の硬さ(CAVI)」がわかります。血管が硬いほど速度は早くなり、9.0 を超えると約半数に脳動脈や冠動脈に動脈硬化症がみられるといわれています。
つぎに、上腕と足首の血圧比から「血管の詰まり具合(ABI)」がわかります。0.9 未満だと足の動脈が詰まっている可能性が高く、値が低いほど重症になります。自覚症状は歩行時の足の痛みとしてあらわれることが多いといわれています。
3つ目に、性別や年齢が同じ健康な人の平均値と比べることで「血管年齢」がわかります。CAVI が 9.0 未満でも血管年齢が高い人は動脈硬化の進行が速いと考えられています。
動脈硬化のリスクを減らすには、肥満を解消する、動物性脂肪を減らし、野菜を増やすこと、適度の運動をとり入れる、禁煙を心がけるなど
が推奨されています。肥満の解消は高血圧、高脂血症、糖尿病のリスクを減らしますし、動物性脂肪を減らし、野菜をとることはカリウムを多く摂取することで、ナ
トリウムが排出され、血圧が低下することも指摘されています。
また青魚は EPA を多く含み中性脂肪を減らしたり、血栓をできにくくする作用がありますので予防効果があると言われています。
そして、喫煙はたばこの中の活性酸素によって動脈硬化が悪化し
ますので、禁煙を心がけてください。
ご心配なことがあればいつでもお声がけください。
あれこれ情報版
昨年 12 月に電子カルテのシステムを入れ替えのため、 お会計に未収金や返金が出ることがあり、ご迷惑をおかけしており ますことをお詫びいたします。間もなく落ち着くと思います。
・子宮頸がんワクチンキャッチアップ接種期限は、 2 回目、3回目に限り来年3月31日までに延長されました。
・風疹の抗体価検査および風疹 5 期接種の無料制度は 3 月末で終了します。
すでに多くのみなさまにお声がけいただいておりますように、当院はキリン堂の 2 軒先に新診療所を建設中です。9 月 1日に移転開業予定です。2 階、3 階は入院施設ではなく、賃貸マンションになります。工事中は通行障害、騒音などでご迷惑をおかけします。
ゴールデンウィークの休診は、暦通りです。
前院長の児島哲郎は 2 月で 99 歳を迎え、兵庫県医師会より白寿のお祝いをしていただき、元気に過ごしております。
