ff 診察室こぼれ話

マイコプラズマ肺炎が流行しています。10 月27 日までに全国の医療機関から報告された患者数は1 医療機関当たり2.49 人と、5 週連続で過去最多を更新したというニュースが流れていました。

今年は例年以上にマイコプラズマ肺炎に罹患する患者さんが多い年です。マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ( Mycoplasma pneumoniae )」という細菌に感染することによって起こる、頑固なせきを伴う呼吸器感染症で、小児や若い人の肺炎の原因として、比較的多いものの一つです。マイコプラズマ肺炎は1 年を通じてみられ、秋冬に増加する傾向があります。症状は発熱や全身の倦怠感、頭痛、せきなどの症状がみられます。せきは熱が下がった後も長期にわたって(3~4 週間)続くのが特徴です。肺炎マイコプラズマに感染した人の多くは気管支炎で済み、軽い症状が続きます。一般に、小児の方が軽症で済むと言われていますが、一部の人は肺炎となったり、重症化したりすることもあります。また、5~10%未満の方で、中耳炎、胸膜炎、心筋炎、髄膜炎などの合併症を併発する症例も報告されています。

感染経路は感染した人のせきのしぶき(飛沫)を吸い込んだり(飛沫感染)、感染者と接触したりすることにより感染する(接触感染)と言われています。感染してから発症するまでの潜伏期間は長く、2~3 週間くらいとされています。マイコプラズマ肺炎の診断は抗原検査の迅速診断キットを用います。喉の拭い液で迅速に調べられるのでよく使われますが、あまり正確性は高くありません。血液でマイコプラズマの抗体価を測定する方法もありますが、結果が出るまでに数日かかり、有用とは言えません。胸部レントゲン撮影で肺に影がみられることで診断されることが多く、重症の場合はCT などで診断されます。当院でもレントゲンで肺炎と診断される人が急増しています。

マイコプラズマ肺炎は、マクロライド系などの抗菌薬で治療されます。しかし、今回流行している肺炎は、マクロライド系抗菌薬が効かない「耐性菌」が増加しています。その場合は異なった種類の抗菌薬を処方します。

予防法はインフルエンザなどと同じく流水と石けんによる手洗い、うがいです。せきの症状がある場合には、マスクを着用するなど“咳エチケット”を守ることを心がけましょう。(厚労省のホームページを参照)

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あれこれ情報版

暑い日々を数えるうち、いつの間にか季節が巡り、今年も残すところ2か月を切ってしまいました。気候が穏やかなためか、インフルエンザ予防接種の接種率が例年に比べて少ないよう です。ご希望の方は早めに接種をして流行に備えましょう。

コロナワクチン接種も実施中。神戸市在住の65歳以上の方は3,000 円、それ以外の方は助成がなく、13,000 円です。

当院の年末年始の休診は12 月29 日(日)から1 月5 日(日)までです。

保険証にかわって、マイナンバーカードの利用をよろしくお願いいたします。

長崎県壱岐島へ行ってきました。町でふらりと入った食堂、お世辞にも綺麗とはいえず、年配のご夫婦がけんかをしながら作ってくださった煮魚定食。絶品!ふわふわぷりぷり、さすが漁港のすぐ横でやっておられるお店だけあって新鮮で本当に美味しかったです。