ff 診察室こぼれ話
「認知症神戸モデル」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。これは、認知症の方やそのご家族が安心・安全に暮らしていけるよう、認知症の早期受診を支援する「診断助成制度」と、認知症の方が外出時などで事故に遭われた場合に救済する「事故救済制度」を組み合わせて実施する、全国初の制度です。神戸市で平成31年に開始されました。財源は、個人市民税均等割の上乗せ(2022年度から2024年度に1人あたり年間400円)でまかないます。
制度開始から令和6年6月末までで約79,000人が認知症検診(第1段階)を受診されました。当院でも行っている問診と認知症テストで「疑いあり」の場合、脳神経外科での詳しい第2段階の検査となります。25%の人が認知症の疑いで第2段階を受診されましたが、そのうち認知症と確定診断されたのは57%、認知症でなかったのは14.5%、MCI(軽度認知障害)は28.5%ほどでした。MCIと診断された場合、今後どのようにしたいいのでしょうか。
MCIと診断された場合、半年後に経過観察のために検査を受診することをお勧めします。ご自身の状態の確認のために、定期的に受診し、必要なときに助言や支援を受けられるようにしておくことが大切です。
「認知症神戸モデル」では、診断助成制度を利用し、MCIの診断を受けた方の経過観察にかかる費用も助成していますので、詳細は第2段階の医療機関に確認してください。
MCIとは、本人や家族に認知機能低下の自覚があるものの、日常生活は問題なく送ることができている状態のことです。MCIは認知症ではなく、認知症と健常な状態の「中間のような状態」で、適切な取り組みをすることで健常な状態に戻る可能性があります。
糖尿病や高血圧、高コレステロール血症は認知症のリスクを高めるとされていますので、これらの生活習慣病をきちんとコントロールすることは認知症の予防につながると考えられます。
定期的な運動や積極的な社会参加、余暇活動なども有効です。また、いろいろな食品を摂取している人(食品摂取の多様性が高い人)ほど、栄養摂取状況が良好であり、認知機能低下が抑制されたことが報告されています。
また、心身が衰えた状態であるフレイルに対して、神戸市には栄養・運動・社会参加をバランスよく取り入れた複合的プログラム、フレイル改善通所サービスがあります。お住まいのあんしんすこやかセンターに相談してください。(神戸市のホームページ参照)
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今年の夏は本当に暑く、昼間の外出は身の危険を感じることもありました。まだ気を抜かずに安全にお過ごしください。
インフルエンザワクチン接種の予約が始まります。院内掲示でお知らせしますので、お早めにご予約ください。またコロナワクチン接種についても詳細が分かり次第お知らせします。
認知症検診の受診券が9月末に郵送されます。70歳から75歳の方が対象となります。
紙の保険証廃止に伴い、マイナンバーカードへの移行はお早めに。当院でも利用登録をすることができます。
世界最高齢116歳の女性が芦屋市におられるとのこと。なんだかとても嬉しく、自慢ですね。
関ヶ原へ行ってきました。まさに合戦場跡地に住んでいる関ヶ原の人たちは、その歴史を背負って生きておられることを生々しく感じました。関西からもさほど遠くなく、観光地として整備されているので、一度行ってみられると面白いと思います。
