ff 診察室こぼれ話
今年の元日に発生した能登半島の地震には本当に驚きました。被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。
震災関連のニュースで最近、エコノミークラス症候群についての報道を耳にすることがよくあります。
エコノミークラス症候群は、飛行機の狭い座席に長時間座ったままでいると発症しやすいことからこの呼び名がつけられ、一般的に知られるようになりました。2004年の新潟県中越地震では、自動車内で寝泊まりをしていた人をはじめとする避難生活の人たちに、このエコノミークラス症候群を発症する人が多かったことで注目を集めました。2016年の熊本地震に関連する報道でもエコノミークラス症候群が報じられました。
エコノミークラス症候群とは、静脈血栓塞栓症と呼ばれる病気の通称で、狭いスペースなどで長時間動かずにいることで足の血流が悪くなり、静脈の中に血栓(血の塊)ができてしまう病気を指します。ですので、飛行機のエコノミークラスへの搭乗時だけでなく、長時間にわたる車の運転やバス旅行、車中泊、災害時の避難所への滞在など、あらゆる場面で発生する可能性があり、旅行者血栓症や、車中泊血栓症といわれることもあります。
静脈血栓塞栓症には足の腫れや赤みなどが現れる深部静脈血栓症と、それによって生じた血栓が歩行などをきっかけに血流に乗り肺に到達して肺動脈を閉塞し息切れや失神などの症状を起こす肺血栓塞栓症があります。
肺血栓塞栓症の90%以上は、足の静脈に血栓ができる深部静脈塞栓症から生じることがわかっています。そのため、2018年現在、肺血栓塞栓症と深部静脈血栓症は、一連の病気として静脈血栓塞栓症と総称されています。
静脈血栓塞栓症は、すべての年代で起こる可能性がありますが、特に60〜70歳代で起こりやすいといわれており、日本では3対1の割合で女性の症例が多いことがわかっています。6時間以上足を動かさない状況が続くと、下肢の筋肉ポンプが使われず、静脈血の流れが悪くなり静脈血栓塞栓症が起きやすくなります。
適度な水分摂取と長時間同じ姿勢を取らないように下肢を動かし運動をすることが、予防に必要なことです。 かかとの上げ下ろし運動をしたりふくらはぎを軽くもんだりすることでも予防効果がありますので、試してみてください。
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2024年、今年もよろしくお願いいたします。
昨年12月の発熱は、コロナよりもインフルエンザ感染の方が多かったようです。今はまたコロナが流行ってきており、入れ替わり立ち替わりまた同時に・・・と、気が休まらないですね。
発熱外来はまだしばらくは開設の予定です。必ず電話予約をお願いいたします。
待合室のトイレ入り口横にコート掛けを設けています。どうぞご活用ください。
今年はハーバーランドのホテルで年越しをしました。深夜0時に船の汽笛が「ボーッ」と1度鳴っただけでとても静かな年明けでした。
