ff 診察室こぼれ話
肝臓は、大切な臓器で栄養分の生成や貯蔵、血液中の薬物や毒物の代謝や解毒、胆汁の産生、体の中に侵入した細菌やウイルスによる感染の防御など様々な働きをしています。
肝臓によく起こる病気としてウイルス性肝炎があります。これはA、B、C、D、E 型などの肝炎ウイルスの感染によっておこるものです。A 型、E 型肝炎ウイルスは主に食べ物を介して感染し、B 型、C 型、D 型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染します。中でも、B 型、C 型肝炎ウイルスは、感染すると慢性の肝臓病を引き起こす原因となります。現在、日本には肝炎ウイルスのキャリア(肝臓の中にウイルスが住みついていて、持続的に感染している状態)の人が多くいます。
キャリアはB 型が約110 万人、C 型が約90 万人いると推定されています。また、肝炎を発症している患者さんは、B 型が約19万人、C 型が約30 万人と推定されています。
B 型肝炎ウイルスに出生時または乳幼児期に感染すると、キャリア化することがありますが、大部分は発症せずに一生を終わります。10-20%で慢性肝炎や肝硬変など肝臓病が発症します。一方、C 型肝炎ウイルスに感染した場合、B 型肝炎よりもキャリア化する率は高く、慢性肝炎になる人も多くあり、放置すると肝硬変、肝がんに進行することもあります。多くの肝炎ウイルスキャリアが、自覚症状のないままに日々を過ごしていることが問題視されています。
肝がんの原因の約80%が肝炎ウイルスと言われています。肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、もしウイルスに感染していても、自覚症状のないままに病気が進行する恐れがあります。そして、ウイルスに感染しているかどうかは検査を受けないとわかりません。
ウイルス性肝炎は、現在では多くの原因ウイルスと感染経路が判明し、発症の仕組みも解明され、さまざまな治療法が研究・開発されています。もし肝炎ウイルスに感染しても、早期に適切な治療を行うことで、肝炎を治癒し、あるいは肝硬変や肝がんへの進行を予防することが可能となっています。
肝炎ウイルスの検査は採血のみです。ご自身や周囲の大切な方たちのためにも、必ず一度は検査を受け、早期治療につなげていくことが大切です。神戸市では以前に肝炎ウイルス検査を受けたことがない人を対象に無料の検査を実施しています。お気軽におたずねください。
(厚生労働省のホームページを参照)
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現在、当院のコロナワクチンはBA4-5対応のファイザー社製です。ワクチン接種3 回目以降の方、12 歳以上の方が対象です。
インフルエンザの予防接種も実施中です。市中ではインフルエンザ感染者がぼちぼちと出始めているようです。お早めの予約、接種をおすすめします。
当院の年末年始のお休みは以下の通りです。
六甲アイランドにあるカネテツデリカフーズ運営の「てっちゃん工房」。ちくわとかまぼこ作りが体験できます。初めての体験で楽しく、何より作り立てはとてもおいしかったです。
