ff 診察室こぼれ話
児島医院に熱傷(やけど)で来院される方が多いので、今回はやけどについてお話します。
やけどは日常生活において最も多い外傷の一つです。 やけどとは、皮膚に高温が作用したために起こる傷害をさします。高温の液体や固体が一定時間以上接すると生じるものです。火炎・爆発などで生じる場合もあります。その原因としては、やかんやポットの湯、コーヒーやお茶、てんぷら油、カップ麺、味噌汁など高温液体によるものがあります。意外に多いのが、炊飯器や電気ポットなど、沸騰したお湯の蒸気によるものです。次いでストーブやアイロンなどの接触によるやけどが多く見られます
やけどは深さによりⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類され、それぞれ症状が異なります。その深さは皮膚組織(皮膚は外側から、表皮・真皮・皮下組織(脂肪)で構成されいている)のどの部位まで損傷されているかで決定されます。皮膚の薄い子供や老人では損傷レベルは深くなります。また、同程度にやけどをしても、体の部位により皮膚の厚さが異なるため、例えば手のひらは皮膚が厚く、手の甲は皮膚が薄いので損傷レベルが違ってきます。
Ⅰ度のやけどは表皮のみのやけどです。外見上、皮膚が赤くなり、痛みを伴います。通常数日のうちに傷あとなく治ります。 Ⅱ度のやけどは表皮だけでなく、真皮にまで及んだやけどです。
外見上は水ぶくれが見られます。Ⅱ度のやけどはその深さによりⅠ度にちかい浅いものと、Ⅲ度にちかい深いものに分けられます。痛みが強い場合には浅いもの、痛みが弱い場合には深いものであることが多いです。Ⅱ度の浅いやけどは傷あとを残さず治癒します。一方Ⅱ度の深いやけどは傷あとが残ることがあります。治療期間は範囲にもよりますが1-4週間ほどです。
Ⅲ度のやけどは表皮、真皮のみならず脂肪・筋肉といった皮下組織にまでやけどが及んでいる状態です。神経や血管もやけどで損傷されているため、外見上白色に見えたり、炭のように黒く見えたりし、痛みの感覚もありません。手術等専門的な治療が必要になり、1か月以上の治療期間を要することも少なくありません。また傷あとが残ることが多いです。やけどの応急処置で大切なのは、速やかに冷やすこと! 冷たい水ですぐに15~30分冷やしましょう 。 やけどの深さが進行するのを止め、やけどのヒリヒリした痛みに対しても効果があります。
(日本形成外科学会のホームページを参照)
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コロナ第7波とともに暑い夏を過ごしました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。発熱外来の予約が連日満席となり、熱があってお辛い上にご不便をおかけいたしました。コロナワクチンの予約とも重なり、電話が通じにくかったこともご迷惑をおかけいたしました。 コロナワクチンに加え、10月からはインフルエンザの予防接種も始まります。今年はインフルエンザがはやるのではないかと予測されています。両方のワクチンを同時接種も可能ですので、お早めにご予約をお願いいたします。 コロナ感染症の療養期間が10日から7日に短縮されました。すこしずつウィズコロナが浸透してきているのでしょうか。しかし気を緩めることなく予防に気を付けて参りましょう。 今年の夏は長良川の鵜飼いを見に行ってきました。鵜が鮎を飲み込んで吐き出すというシーンは見ることができませんでしたが、松明をたいて、なかなか幻想的で素敵でした。
