ff 診察室こぼれ話

欧米を中心にサル痘の患者が増加しています。世界保健機構 (WHO)によると、6 月16 日現在では2036 の確定例がサル痘 常在国である35 か国から報告されています。死亡例の報告はま だありません。日本での発症もありません。

英国内の症例では男性間の性交渉を行う者に感染例が多いと いわれていますが、WHO はすべての症例がそうではないと指摘 しています。

サル痘は天然痘に似た特徴を持つウイルス感染症で、ポックス ウイルス科オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスが病原 体です。アフリカに生息するリスやうさぎなどの齧歯類(ゲッシ ルイ:物をかじるのに適した歯が一生伸び続ける哺乳類)をはじ め、サルなどウイルスを保有する動物との接触によりヒトに感染 します。

サル痘は人から人に感染することがあり、飛沫感染や接触感染 が原因です。感染した人や動物の皮膚の病変・体液・血液との接 触(性的接触を含む)、患者との接近した対面での飛沫への長時 間の曝露、患者が使用した寝具等との接触により感染します。

潜伏期間は7~14日(最大5~21日)です。症状は、発 熱、頭痛、リンパ節腫脹などの症状が0~5日程度持続し、発熱 1~3日後に発疹が出現します。皮疹は顔面や四肢に多く出現し、 徐々に隆起して水疱、膿疱、痂皮となります。多くの場合2~4 週間持続し自然軽快するものの、小児例や、あるいは曝露の程度、 患者の健康状態などにより重症化することがあります。また合併 症として皮膚の二次感染、気管支肺炎、敗血症、脳炎、角膜炎な どを起こすことがあります。

診断は水疱や膿疱の内容液や蓋、あるいは組織を用いたPCR 検査による遺伝子の検出をはじめ、 ウイルス分離・同定や、ウイルス 粒子の証明、蛍光抗体法などの方 法が知られています。治療法は、 日本では薬事承認された薬はなく、 対症療法になります。

サル痘は天然痘ワクチンによっ て約85%発症予防効果があるとさ れていますし、一番の予防は流行地においては、感受性のある動 物や感染者との接触を避けることが大切です。

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あれこれ情報版

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