ff 診察室こぼれ話
腰痛のある人や過去に腰痛で苦しんだ人は多いと思います。腰 痛は人生のうち85％の人が経験する疾病と言われています。
脊椎腫瘍、脊椎炎、椎体の骨折など危険なサインのみられる腰 痛以外で、神経症状を伴う典型的な腰痛として、椎間板ヘルニア と腰部脊柱管狭窄症があります。
椎間板ヘルニアは比較的に若い人に多く、片側の下肢の痛みが あるのに対して、腰部脊柱管狭窄症は比較的に高齢者で両側の下 肢の痛みであることが多いのが特徴です。
腰椎椎間板ヘルニアは椎体という背骨の骨の間にある椎間板 の一部が外に出て神経を圧迫して症状が出ます。本来、椎間板は 背骨をつなぎ、クッションの役目をしていますが、加齢などで変 性し断裂して飛び出します。腰痛と片側の下肢痛が典型的な症状 です。
通常は数カ月の間にヘルニアが自然に吸収されて症状がおさ まりますが痛みが強い時期には、安静にして、コルセットをつけ たり、消炎鎮痛剤の内服や坐剤、神経ブロックを行い、痛みを和 らげます。また、最近では椎間板ヘルニアを溶かす薬（椎間板内 酵素注入療法）が保険適応となり、椎間板への注射療法も効果を 上げています。これらの方法でよくならない場合や下肢に力が入 らない、排尿障害があるときには手術となります。
一方、腰部脊柱管狭窄症は加齢、労働、あるいは背骨の病気に よる影響で変形した椎間板と、背骨や椎間関節から突出した骨な どにより挟まれて神経が圧迫されるものです。脊柱管は背骨、椎 間板、関節、黄色靱帯などで囲まれた脊髄の神経が通るトンネル です。年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色 靱帯が厚くなって神経の通る脊柱管が狭くなって（狭窄）、それに よって神経が圧迫を受け、神経の血流が低下 して発症します。症状としては間欠性跛行（か んけつせいはこう）があります。痛みが出る ので長い時間は歩けず、休むと痛みが軽減す るのでまた歩きだせるという状態です。下肢 の動脈の狭窄でも間欠性跛行がありますが、 末梢動脈疾患との違いは腰部脊柱管狭窄症で は自転車に乗れる、症状出現時の休憩時間が 短いなどが特徴です。また、姿勢を前かがみにすると神経の圧迫 が和らぎ楽になります。
治療はやはり消炎鎮痛剤の内服や坐剤、プロスタンディン製剤 が使われます。これは症状の発現の一因として馬尾神経、腰部神 経根といった神経への血流を増加させることによって痛みが和ら ぎます。それらでもよくならないときに手術が考えられます。
pdf版はこちらからあれこれ情報版
4 月から診療報酬の点数が改定となりました。当院での お会計時や薬局でも少しずつ増減がある方もおられると 思います。ご不明な点は受付にお気軽にお尋ねください。 今回のコロナ感染まん延防止等重点措置は解除になって も感染者数が高止まりで、患者さんの数もずるずると 減りきらない傾向がありました。コロナ陽性患者さんの中では、 発熱してもすぐに解熱し、咽頭痛があるが比較的元気という方、 「どこで感染したかわからない」「気を付けていたのに」という方 が多かったのも特徴です。 ゴールデンウィークは福岡県・山口県へ足を延ばしてみ ました。夕刻六甲アイランドからフェリーに乗り、翌朝 7 時に門司港に到着。露天風呂もあり、なかなか快適な船旅でし た。 下関唐戸市場は朝8 時前にはすでに駐車場は混雑、目を疑 うくらいの人出でした。全国の観光地でも同じような状況だった ようですね。これからも気をゆるめず感染対策、気を付けて参り ましょう。