ff 診察室こぼれ話
口から摂取した内服薬はその後、身体の中でどのように作用していくかご存知でしょうか。口から飲み込んだ薬はまず胃に入り、そのあと小腸で吸収され血液によって肝臓に運ばれます。
肝臓は人体の化学合成工場のようなもので、色々な物質を代謝して元の物質と違う安全なものに変えたり、エネルギーになるものを作ったりします。このように内服薬は肝臓で代謝され、血液によって全身に運ばれて、薬の効果が出ることになります。
その時内服薬は作用量が目減りしてしまうので、初めからそれを想定して作られています。外用薬や注射剤などは肝臓を通過せずに直接、血液の中に入るので肝臓を通過して効果が落ちて困る薬はこのような形態で作られています。
全身をめぐった薬は最終的には、再び肝臓で代謝、分解されて胆汁から便に排泄されたり、腎臓に運ばれて尿の中に排泄されます。そのため、肝臓病や腎臓病を持っている人では、肝臓や腎臓に負担がかかり、副作用の出る割合が高くなります。
肝臓が悪い人や腎臓が悪い人では注意して薬を服用する必要があります。また、高齢の人は一般的に若い人に比べて内臓機能が低下している場合が多いので、身体の中に薬が残存して、薬が効きすぎてしまうことがあります。
薬による有害なことがおこる頻度は薬の数に比例して多くなると言われています。
特に6 種類以上になると発生する割合が増えると日本老年医学会で発表されました。これは、前述した理由も一因ですが、安易に薬を処方する医療者側の問題でもあります。
しかし、患者さんの病状でどうしても薬を減らせない場合もありますし、薬の数が少ないから安全ということも言えません。薬の相互作用ということも起こり得ます。複数の薬の飲み合わせによって効果が強くなったり、または逆に薬のもつ効果が打ち消されて本来の効果がでないことがあります。
また、13 歳未満の子どもでは内臓機能が大人ほど成熟しておらず、薬の影響を受けやすく体重に見合った薬の投与量が決められている薬があります。
高血圧症、高脂血症、糖尿病など生活習慣病や慢性疾病で長期間にわたって薬を服薬している場合、本来の薬の効果から得るメリットもありますが、副作用で臓器障害が起こることがあり、定期的な血液検査が必要です。
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新型コロナウイルスの予防接種については、どこでどのよ うに受けれるかの情報がまだ入ってきていません。当院で受ける ことができる予定ではありますが、また詳細が決まり次第すぐに お知らせ致しますのでしばらくお待ちください。 コロナ感染が少しずつ収まりつつあります。しかしこれに 安心せず今まで通りの感染対策を続けていく必要があると思われ ます。当院でも発熱があるなどコロナウイルス感染の可能性があ る方は別時間枠、別室にて診療をしています。発熱のある方は事 前にお電話でお問い合わせの上ご来院お願いいたします。 在宅療養をご希望の方はお知らせください。また一時的に 来院困難な場合の往診も、お気軽にご相談ください。 先日、名古屋にある徳川美術館へ行ってきました。尾張徳 川家2代当主徳川光友の隠居所であった大曾根別邸の跡地に建て られ、徳川家康の遺愛品など日常的に使われていたものが展示さ れています。4 月4 日までは「尾張徳川家の雛まつり」展が開催 されて江戸時代のお雛さまや尾張徳川家3 世代当主夫人のお雛さ まなどが飾られ素晴らしい見ごたえでした。
