ff 診察室こぼれ話

日本国内で、 昨年の夏以降じわじわと風疹の感染者が増えてい ます。 妊娠初期の妊婦さんが風疹ウイル スに感染すると、風疹ウ イルスは血液を介して赤ちゃんにも感染 することが 今、 重大な問 題となっています 。

風疹ウイルスが妊婦さんに感染した場合、およそ 2 3 週間の 潜伏期間を経て症状が出現します。妊婦さんにみられる可能性の ある症状は、倦怠感や微熱、首のリンパ節の腫れ(特に耳の後ろ や後頭部の腫れ)、発疹、関節症状などです。母体における風疹は、 重篤にならずに治癒することがほとんどです。

しかし、胎児に対して影響が生じることがあり、子宮内での胎 児死亡に加え 先天性風疹症候群として 種々の奇形を生じることが あります。具体的に、頻度が高い合併症には、下記のようなもの があります。

1) 子宮内発育遅延:週数に比較して胎児の大きさが小さい 2) 小頭症:知能や発達に影響を及ぼす 3) 眼症状:白内障、網膜症など 4) 難聴 5) 心疾患:心不全症状を引き起こすことがある

その他、血小板減少による出血傾向や、貧血、肺炎、低ガンマ グロブリン血症(免疫不全のひとつ)などを併発することもあり ます。先天性風疹症候群に伴う症状は出生後すぐに認めるものも あれば、成長過程を経るにつれて明らかになるものもあります 。 これには、 風疹 感染者 が妊婦の周辺にいることも大きな原因です。

厚生労働省は 2018 年 12 月 11 日、風疹の予防接種を公的に受 ける機会がなかった 39 歳 56 歳の男性について、予防接種法に 基づく定期接種の対象にすると発表し ました 。風疹が成人男性を 中心に流行していることを受けた措置 です 。 風疹の予防接種は女 性への接種を優先していた時期があり、 30 代から 50 代の男性で 接種していないか、接種回数が十分でないために、抗体ができて いないことが原因と思われます。

2019 年 1 月 、抗体検査とワ クチン接種の費用を原則無料に なり、 22 年 3 月まで約 3 年間、 実施する予定です。関連費用は 18 年度第2次補正予算案に計 上 され、 2 月 7 日に参議院で可 決されました。 厚労省によると、 接種対象は、 19 62 年 4 月 2 日 79 年 4 月 1 日生まれの男性約 1610 万人。 実際に接種が必要な のは最大 300 万人程度とみられています。 厚労省は今回の措置に より、東京五輪・パラリンピックが開かれる 20 年 7 月までに、 現在 39 6 歳の男性の抗体保有率を 85 %以上、 21 年度末までに 90 %以上に高めたい考え です。 (厚労省、 Medical Note のホームページから参照)

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あれこれ情報版

4 月より前院長の診察日が変更になります。 水曜日午後 現院長→前院長(小児科の診察はありません) 診察時間は 17 時から 19 時 木曜日午後 前院長→現院長(小児科の診察あります) 診察時間は 16 時半から 19 時

予防接種をご希望の方は薬剤確保のため、事前にご予約 をお願いいたします。お電話でも承ります。

ゴールデンウィークのお休みは 4 月 28 日(日)から 5 月 5 日(日)です。 5 月 6 日(月・振替休日)は診療いたします。

今冬のインフルエンザの流行は多いなと感じた昨年より も多かったように思います。流行期は昨年に比べて短かった です。今シーズンから新し いインフルエンザの内服薬が使え るようになり、1回服用すれば効果があるものでした。

65 歳以上の神戸市民は 認知機能検診を受けることがで きるようになりました。受診券は 電話で申し込むことができ ます。 神戸市総合コールセンター( 078 333 3330)