ff 診察室こぼれ話

高齢化社会の進展とともに認知症高齢者が増加していることは、 周知のことと思います。

平成 28 年 9 月、神戸市で G7 保健大臣会合が開催されました。 ここで、「神戸宣言」として、認知症 対策をより推進していくこと が盛り込まれ、有識者会議で検討され、平成 30 年 4 月に「神戸 市認知症の人にやさしいまちづくり条例」が制定されました。 その中で全国初の「神戸モデル」という政策があります。それ は ① 認知症の早期受診を促すために認知症診断の新たな診断助成 制度の創設と ② 認知症の方が自己の遭遇した時に加害者、被害者 ともに救済する事故救済制度を創設するという 2 つの大きな柱が あります。

認知症には、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー 小体認知症、前頭側頭型認知症などがあり、対応方法が異なりま す。そのため、 早期受診をしていただく必要があります。 認知症 診断助成制度 は 、平成 31 年 1 月から開始される予定です。神戸 市在住の 75 歳以上の市民には受診券が郵送されます。その受診 券をもって認知機能検診をしている医療機関を受診します。 これ は検診のため、自己負担はありません。 東灘区には 44 医療機関 が指定されており、当院児島医院も対象となっています。 そこで 長谷川式など認知症検査を行います。そして 認知症の疑いがあれ ば、認知機能精密検査を専門の医療機関で保険診療を受けること になります。 ここでは 、 自己負担金 を 窓口で支払うことになりま す。 最終的に認知症と診断されたら、かかりつけ医やあんしんす こやかセンターとの関わりが必要となります。

次に事故救済制度ですが、認知症 の方が事故やトラブルに遭い、賠償 問題が起こることがあります。 神戸 市ではこの問題を解決するために、 神戸市民であれば、どちらかが加害 者、被害者であれば、見舞金・給付 金を神戸市が支払うという制度です。 この制度は来年の 4 月から開始されます。 具体的には次のような 救済制度です。

認知症と診断された場合、賠償責任保険に神戸市が加入し、認 知症の人が事故を負った場合に保険金が支払われます。また、事 故があればコールセンターで 24 時間 365 日の相談対応、所在が わからなくなった時のかけつけサービスが 利用 できます。さらに、 認知症の人が起こした火災や傷害に対して、事故に遭われた神戸 市民に見舞金を支給 します 。以上のような「神戸モデル」ですが、 財源として 1 年間で 3 億円が必要と試算されています。 そのため、 年間 1 人あたり 400 円の税金がかかると試算されています。この 制度 は 来年早々にも実施されると思います。

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あれこれ情報版

インフルエンザワクチンの接種が始 ま りました。助成は 1 月 31 日までです。ご 希望の方は早めに予約・接種をお願い いたします。

12 月 1 日から神戸市の国民健康保険証が変わります。 11 月中にはお手元に届くようですが、今年から「兵庫県の国 民健康保険証」となります。今年の色は藤色です。

当院の 年末年始のお休みは以下の通りです。 年末は 12 月 31 日午前中まで通常通りに診療いたします。 年始は1月 7 日(月)から通常とおりに診療いたします。

すでにインフルエンザがぽつぽつと発症しているようで す。外の掲示板には感染症情報として発症患者数を毎週更 新して掲載しています。どうぞご覧ください。

来年のゴールデンウィークは10連休だそうです。